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第二十三話 鼠を殺す茶

last update Tanggal publikasi: 2026-08-31 09:44:36

白い煙は、慈寧宮の広間をゆっくり満たしていった。

 毒ではない。

 それは分かった。

 苦味が薄い。

 白玉宮で玉蘭妃様が撒いた煙とも、紅蓮楼で景蘭が逃げる時に使った香とも違う。

 これは目を惑わせるための煙だ。

 けれど、毒ではないから安全、というわけではない。

 煙の中で人は迷う。

 迷ったところを、誰かに刺されるかもしれない。

 倒れたふりをした者が起き上がるかもしれない。

 証拠が消えるかもしれない。

 何より。

 慈寧太后様が消えた。

「右奥の扉です!」

 私はもう一度叫んだ。

 景黎様が煙の中へ踏み込む。

 皇帝陛下も追おうとした。

「母上!」

「陛下、駄目です!」

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